Kimono Hearts Portal Column 美しすぎる着物の柄。そして色無地の魅力。着物の歴史と主な種類について
さらに「無地」の着物の魅力もご紹介します!
美しすぎる着物の柄。その歴史と主な種類について
四季折々 季節をまとう文様
春・夏・秋・冬と、気候の変化に富む日本では、季節の移り変わりを細やかに味わう文化があります。
俳句に季語があるように、着物の文様にも季節ならではの文様が。例えば花柄でも梅と菊など、違う季節の花を組み合わせた絵は時季を問わずに着られますが、一種類の花柄なら、花の咲く季節の文様となります。その季節に合った花柄の着物をまとうことでよい一層、素敵な装いができるでしょう。また、少し先の季節の柄を先取りすると粋とされるため、人とは違う文様が着たい!という方は、次の季節の文様を選んでみるのも良いでしょう。
ちなみに桜は花の代名詞とされているため、年中着られる文様されています。
四季の文様の一例
花鳥文(かちょうもん)(梅に鶯(うぐいす)、竹に雀(すずめ)など)
草花文(くさばなもん)(露草文(つゆくさもん)、武蔵野文(むさしのもん)など)
四君子文(しくんしもん)(蘭・梅・菊・竹を組み合わせて四季を表す)
ルーツはどこの国? 海を渡って来た文様
有職文様の一例
さまざまな祈りを込めた文様
こうした文様は、着て行く場を間違えると失礼になることも……。例えば亡くなった方を偲ぶしめやかな席に、吉祥(お祝い)文様の帯をしていくのは失礼にあたります。自分の着物の文様の意味は、知っておくようにしましょう。
お祝いや招福の文様
厄除けの文様
厄除け・魔除け(鱗(うろこ)、獅噛(しがみ)・南天など)
弔事やしめやかな場の文様
気づかない人は気づかない 悟り絵(判じ絵)
悟り絵の一例
判じ絵文(はんじえもん)(かまわぬ、斧琴菊(よきこときく)、大根など)
実用の美 江戸小紋
江戸小紋の一例
江戸小紋三役(鮫(さめ)、行儀(ぎょうぎ)、角通し、江戸小紋の定番三文)
着物の文様は、着物選びの魅力の一つ。季節に合わせる、着て行く場に合わせる、あるいはなぞなぞで洒落てみる、と楽しみ方はいろいろです。着物の文様を知れば、人の着物姿を見ることも楽しみになります。ここに紹介しただけでなく、まだまだ素敵な紋様があります。キモノハーツギャラリーでは振袖以外のお着物を鑑賞していただく催事を定期的に行っておりますので、機会があれば、実際の着物を見て「文様の魅力」に触れてみてはいかがでしょうか。
色無地の着物の魅力について
若いときに1枚色無地を買えば、卒業式、結婚式、お宮参り、子どもの入学式、子どもの卒業式と、折々に着ることができます。
色無地を知れば、着物の底しれない魅力がわかってきます。
色無地について
色無地に使う生地には、素無地(地紋のない生地)と紋生地(地紋のある生地)があります。
色無地に家紋をつけると礼装格になり、冠婚葬祭に使うことができます。紋をつけなければ普段のお洒落着として、帯や半襟で着こなしを楽しむことが可能です。
色無地を着用できる場面いろいろ
紋を入れない色無地
柄物の半襟や、個性的な柄帯と組み合わせると、無地でもとても華やかな装いになります。観劇やお稽古事に行くときの着物としてもぴったりです。
紋を入れた色無地
家紋を入れたら、準礼装から礼装まで使うことができるようになります。
一つ紋を入れた色無地は、卒業式の袴に合わせる長着に→華やかな丸帯を合わせて結婚式に→黒帯を合わせて法事用→丸帯をお太鼓に結んで宮参り→子どもの入学式や卒業式のように生涯着られる一枚です。
色無地は、若いときに娘らしい明るい色で染め、年配になったら落ち着いた色に染め替えることができます。着物には「悉皆(しっかい)」という加工技術があり、素無地の色無地なら、染め替えるだけでなく柄を描き足し、金銀泊を置くことも可能です。「一枚持つなら色無地」と言われるのは、こうした変化のつけやすさゆえです。
袋帯「礼装用」
結婚式に出席するとき
柄も吉祥文様など慶事にふさわしい文様で。着付けは、変わり文庫やふくら雀など華やかな飾り結びにします。この装いは、結納などほかのお祝いの場合にも使えます。
法事などしめやかな場に
名古屋帯「お洒落着用」
お茶会など少し改まった場に
お洒落着、お出かけ着として
個性的な錦の変わり織の帯は、ちょっとしたお出かけにぴったりです。
色無地は帯が目立つので、帯で遊ぶには絶好の長着。美味しい物を食べに行くときに野菜や魚柄の帯を締めたり、自然の豊かな場所へ行く時に連山柄の帯を締めたりすると、着物らしい粋な着こなしを存分に楽しめます。
色無地は一色でシンプルだから、コーディネートをおぼえるには絶好の着物。
仰々しくない一つ紋をつければ、大抵の場に自信を持って来て行けます。絵柄が無い分、帯や半襟の組み合わせで、様々な表情が作れます。
ゴージャスにも清楚にも着ることできる色無地で、着物を楽しんでみませんか?