Kimono Hearts Portal Column 季節に合わせた着物の種類とその選び方(選び方編)
季節に合わせた着物の種類とその選び方(選び方編)
ここでは、季節に合わせた着物の選び方をご紹介いたします。
ポイントは3つ 季節に合わせた着物の選び方
季節ごとに着物が変化するといいましたが、大きく変わるポイントは3つです。
仕立て
素材・質感
色・柄
※季節ごとの着物の種類でご紹介しております
この3点は明確なルールがあるので、季節を外した着物を着ていると、一目で「季節外れ」と分かります。制服のように規則違反に問われる訳ではありませんが、改まった場では、恥ずかしい思いをするかも……。難しいルールではないので、知っておくことをおすすめします。
季節で変わる「仕立て」の種類
まずは、「仕立て」。衣替えという言葉は、もともと着物から始まっています。学校の制服は、6月から夏服になり、10月から冬服になります*1が、着物も同じく6月からは「単(ひとえ)」、10月からは「袷(あわせ)」を着るようになります。「単」とは裏地をつけない仕立てのことで、「袷」は裏地をつける仕立てのことです。
大きく仕立てが変わるのは、6月(夏衣)と10月(冬衣)。ここでは「表着」、つまり着物本体の仕立てを替えますが、春秋の気候の変化は、中に着る長襦袢で調節します。春から夏は長襦袢を袷から単へと薄くして行き、秋はその逆に厚くします。
*1近年では衣替えに移行期間を設けている学校もあります
季節に合わせて遊ぶ「色」と「柄」
ここでは、季節に合わせたコーディネートの一例をご紹介します。
季節の絵柄で遊ぶ
夏:流れ(水)、竹、魚など涼やかな絵柄ですっきり。はっきりした幾何文様も粋です
秋:色味を深く濃くして秋の風情を。菊花や萩、紅葉などの雅な柄が季節に合います
冬:渋みの色を選ぶと凛とした風情に、濃い色に寒牡丹の絵柄などを配しても素敵です
色がさねで遊ぶ
春の色がさね
梅重ね(紅梅と濃紅) 冬から春(11月~2月)
若草(淡緑と濃緑) 正月~2月初め
桃(淡紅と萌黄) 三月、春
夏の色がさね
菖蒲(しょうぶ)(緑と紅梅)4~5月
葵(あおい)(薄緑と薄紫) 夏
花橘(はなたちばな)(朽葉色と緑)4~5月
秋の色がさね
萩(薄紫と緑)6~9月
紅葉(もみじ)(赤と濃赤)秋
朽葉(くちば)(濃黄と濃赤)秋
冬の色がさね
枯色(黄と緑)10~3月
氷重ね(鳥の子と白)冬
雪の下(白と紅梅)冬から春
着る物で四季を味わうのは、日本人ならではの優雅な楽しみでは? 着物を着るときにはちょっと季節を意識して、四季折々の装いを楽しんでみてくださいね。