ベル・エポックの華やかさを纏う〜トワルドジュイが描いたパリのファッション〜

ファッションと芸術の都、パリ。
ここは古くから多彩な文化が生まれ育まれ、今なお多くの人々を魅了し続けています。
19世紀後半から20世紀初頭、パリは世界の文化とファッションの中心地として輝きを放っていました。
この時代は「ベル・エポック」(Belle Époque)と呼ばれ、「美しい時代」を象徴する華やかさと洗練さが街を彩っていました。 

ファッションの分野においても、エレガントで豪奢なスタイルが追求され、トワルドジュイを代表とする西洋更紗の繊細なテキスタイルデザインが特に注目を集めます。
キモノハーツのコーデレーベル「ノスタルジック」の世界観はまさにベルエポック。本記事では、この時代背景やトワルドジュイ、西洋更紗がファッションにどのような影響を与え、現代にまでその美しさがどのように受け継がれているのかを探ります。 

ベル・エポックのファッションの特徴

ベル・エポック時代のファッションは、エレガンスの極みともいえるスタイルが象徴的です。
特に女性の服装は、曲線美を強調するS字ラインが特徴で、ウエストをきつく絞り、胸元を強調したシルエットが流行しました。これに加えて、繊細なレースやビーズ刺繍、豪華な生地をふんだんに使ったドレスが上流階級の女性たちを彩りました。 

一方で、産業革命による大量生産技術が発展したことで、ファッションを楽しむ感覚はより広い層に広がりつつありました。
しかし、ブルジョワジーをはじめとする上流階級の間では職人技が感じられるクラフトマンシップが依然として重視され、素材やデザインに対するこだわりは失われませんでした。
そんな時代の中、西洋更紗トワルドジュイといったテキスタイルが、単なる装飾素材としてだけでなく、ファッションの美学そのものを象徴する存在として注目を浴びたのです。 

西洋更紗:エキゾチックな魅力の象徴

「西洋更紗」(Indienne)は、インドからヨーロッパへと伝わった染織布で、鮮やかな色彩と複雑な模様が特徴です。17世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパの職人たちはこれを模倣し、フランスやオランダなどで生産される「西洋版更紗」が誕生しました。 

鮮やかな植物柄や幾何学模様はシルクやコットンの生地にプリントされ、特に上流階級の女性たちに好まれました。
その華やかなデザインは、植民地時代のフランスにおいてエキゾチシズムの象徴として位置づけられ、ドレスやショール、スカーフなど、様々な形で取り入れられました。
ファッションだけでなくマイセン磁器などのインテリアにも応用されることで、生活空間全体にエレガントな雰囲気をもたらしたのです。 

トワルドジュイ:牧歌的な美しさをまとうデザイン

「トワルドジュイ」(Toile de Jouy)は、18世紀末のフランスで誕生したテキスタイルで、モノクロームの風景や牧歌的な場面を描いた織物が特徴です。その名前は、最初に生産が行われたパリ郊外のジュイ=アン=ジョザスという地名に由来します。単色で印刷されたシンプルなデザインながらも詩的で物語性があり、当初は主に室内装飾に用いられていました。 

ファッションに再評価されたトワルドジュイ

19世紀末、ベル・エポック時代に入り、トワルドジュイはファッション界で再評価され始めました。
その牧歌的な美しさは、都会の喧騒から逃れるような癒しを提供し、日常着やアクセサリーとして取り入れられるようになりました。 

トワルドジュイのテキスタイルは、ドレスやスカートはもちろん、帽子やバッグなどの小物にも活用され、当時の女性たちの装いに軽やかなエレガンスを加えていました。特に田園風景をモチーフとしたデザインは、自然と調和する洗練されたスタイルとして支持されました。 

ベル・エポックを彩ったデザイナーたち

この時代のファッションを語るうえで欠かせないのが、トワルドジュイや西洋更紗を巧みに取り入れたデザイナーたちです。代表的な人物として挙げられるのが、ポール・ポワレやジャック・ドゥーセです。 

ポール・ポワレは、東洋的な影響を受けた大胆なデザインで知られており、鮮やかな西洋更紗を用いたドレスを多く発表しました。
また、ジャック・ドゥーセはトワルドジュイの優雅なデザインを取り入れ、クラシックな中にも新しさを感じさせるスタイルを確立しました。
彼らの作品は、当時のパリの芸術界にも影響を与え、ファッションと美術が融合したベル・エポックを象徴する存在となりました。 

現代ファッションへの影響

ベルエポックのファッションは、現代のデザイナーたちにも多大なインスピレーションを与えています。
例えば、ディオールやエルメスといった名だたる世界的ブランドが、トワルドジュイや西洋更紗を現代風に再解釈し、エレガントでありながらモダンなスタイルを提案しています。 

ハイブランドが採用しはじめたことによりトレンドが生まれ、幅広い価格帯のブランドがトワルドジュイのテキスタイルを使ったアイテムを展開しました。身に着ける方の年代を選ばないような品の良さやシンプルな色遣いは多くの方の支持を得ました。
このコラムを読んでくださっている方の中にも、手にしたというかたは沢山いらっしゃるのではないでしょうか?

さらに、これらのクラシカルなデザインは、サステイナブルファッションの流れの中でも再評価されています。伝統的な技法や自然をモチーフにしたデザインがレトロブームとともに再び注目を集めており、クラフトマンシップへの回帰が見られるのです。  

Nostalgicの世界
-キモノハーツとベル・エポック-

振袖のコーディネートをファッショントレンドに基づきカテゴライズしたコーディネートブランド「振袖コーデレーベル」。
「甘さ」と「洋柄」を掛け合わせた「ノスタルジック」は、このベル・エポックのトレンドから多くのインスパイアを受けています。
西洋更紗のテキスタイルを採用することはもちろん、マイセン磁器に描かれたような繊細な絵画、品よくあしらったパールやビジューなどをモチーフに、郷愁を感じさせながらも華やかさを放つ「ノスタルジック」のコーディネート。
芸術の街パリへの憧れと日本らしさを共存させたコーディネートは、現在のファッショントレンド「フレンチガーリー」にも通ずるものがあり、多くの10代女性から支持を得ています。 

時代を超えて受け継がれるベル・エポックの美学

ベル・エポックは、ファッションと芸術が最高の形で融合した特別な時代でした。トワルドジュイや西洋更紗といった素材は、当時の文化的背景を反映しつつ、美しさと機能性を兼ね備えたデザインとして今なお輝きを放っています。 

この時代の魅力をもっと深く知りたい方は、パリの装飾美術館を訪れたり、現代のトワルドジュイを取り入れたアイテムをチェックしたりしてみてはいかがでしょうか。そこには、時代を超えて愛され続けるデザインと文化の物語が広がっています。 

そして、この時代。日本の芸術文化もパリに大きな影響をもたらしました。
「ジャポニズム」と呼ばれる芸術運動は多くの芸術家たちが心を焦がし、日本の伝統文化を自身の作品に取り入れていきました。
「着物」からインスパイアを受けたファッションアイテムも存在します。次回はその「ジャポニズム」と「ベル・エポック」の関係性について説明します。きっと日本の芸術文化がより好きに、そして誇らしくなりますよ。 

このコラムでは、パリの歴史やファッションの豊かさを伝えながら、トワルドジュイと西洋更紗が持つ魅力を多角的に紹介しました。
ぜひ、この美しさを一生に一度の記念日にまといたいという方は、キモノハーツだけが提供する「ノスタルジック」の振袖コーディネートを体感しにお店にいらしてくださいね。ご来店、心よりお待ちしております。 

あなたのお気に入りは見つかった?自分をもっと好きになる魔法のコーデ、探しに来てね♪

スタイル別の最新振袖カタログ無料プレゼント カタログ請求

あなたのお近くのキモノハーツショップへ! 来店予約

ヴィンテージ振袖をあなただけの着こなしへ ママ振りde成人式 vintage

成人式に行けない!着られない!方へ 写真だけの成人式

卒業式のハカマもキモノハーツにおまかせ!

豪華BOX入り!5冊セットのカタログを無料プレゼント!

LINEでスタッフになんでも相談できるサービスはじめました!

kimono hearts ONLINE STORE もっと身近に、もっと便利にキモノコーデを楽しもう

facebook

X twitter

instagram

youtube