音楽と共に生まれたパンクファッション

パンクファッションは、1970年代のロンドンで誕生し、音楽や社会運動と密接に関連しながら進化を遂げました。

パンクファッションはその名の通り、パンク・ロックの精神を反映しており、伝統的なファッションや文化、社会に対する反抗の象徴でもあります。

パンクファッションの誕生における重要人物たち

パンクファッションを語る上で欠かせない登場人物が、のちにセックス・ピストルズのマネージャーを務めた「マルコム・マクラーレン(Malcolm McLaren)」とファッションデザイナーの「ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)」。そして、伝説のパンクバンド「セックス・ピストルズ(Sex Pistols)」です。
セックス・ピストルズの服装は、パンクファッションの土台を作ったと言っても過言ではないでしょう。

ファッションデザイナーであり起業家のマクラーレンは、1971年、ヴィヴィアン・ウエストウッドと共にロンドンのキングズ・ロードにブティック「Let It Rock」を開店しました。当初はTEDS/テッズ(テディ・ボーイ)ファッションを取り扱っていたそうです。TEDSは当時の不良文化を象徴するスタイルでした。

1974年にマクラーレンはアメリカに渡り、ニューヨーク・ドールズのマネージャーに。アンダーグラウンドで盛り上がっていたニューヨーク・パンクに強い影響を受けます。
同時期、店名も「SEX」に変更。商品もボンテージファッションやパンクファッションへと移行していきました。

マクラーレンは店に出入りしていたスティーヴ・ジョーンズ(ギター)とポール・クック(ドラム)が結成したバンドに注目。
従業員のグレン・マトロック(ベース)と、オーディションで選んだジョン・ライドン(ボーカル/愛称はジョニー・ロットン)を加え、「セックス・ピストルズ」を誕生させました。

セックス・ピストルズの服装に関しては、マクラーレンがニューヨーク・ドールズのマネージャー時代に出会ったリチャード・ヘル(テレヴィジョンのメンバー)のファッションからヒントを得て、そこに安全ピンや缶バッジを加えることで完成したという説があります。

一方、ジョン・ライドンの自伝によれば、彼はバンド加入前から短髪を緑に染めたり、父から買い与えられたスーツをカットして安全ピンでつなぐなどしていたと述べています。また、オーディション時には「Hate」と自筆で殴り書きしたピンク・フロイドのTシャツを着ていたという逸話もあります。

おそらくですが、誰かひとりのアイデアではなく、皆のアイデアによってセックス・ピストルズのファッションは出来上がったのでしょう。

マルコム・マクラーレンは、パンクという音楽ジャンルを商業的に成功させるために、ヴィヴィアン・ウエストウッドとの店舗「SEX」を宣伝の拠点とし、ファッションと音楽をリンクさせる戦略を取りました。

当時のイギリスは景気低迷、若者たちは怒りや不満を抱えている状態でした。
そんな中でセックス・ピストルズが、既存の音楽シーンへのアンチテーゼ、英国王室や政府、大手企業を攻撃する歌詞の曲をリリース。
「無秩序でいたい」と歌う『アナーキー・イン・ザ・UK(Anarchy in the U.K.)』、さらに女王や国家を皮肉った『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン(God Save The Queen)』など、過激で反抗的なスタイルは瞬く間に全世界から注目を集めたのです。日本でも『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』は英国との国際親善を害するとして放送禁止となりました。

1977年、アルバム『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』が大ヒットした後、さらに店名を「セディショナリーズ(Seditionaries)」に変更。「セディショナリーズ」はパンクファッションのムーブメントを牽引する存在となります。

王室のファッションとストリートファッション

タータンチェックは、もともとスコットランドの伝統的なチェック柄。
19世紀後半、ヴィクトリア女王がスコットランドの伝統文化に興味を持ち、『ロイヤル・スチュアート』と呼ばれるタータン柄を作ります。以来、タータンチェックは英国王室ゆかりの柄として愛用されるようになりました。

セックス・ピストルズの服装で印象的なモチーフが「タータンチェック」「ユニオンジャック(イギリス国旗)」「女王陛下」ではないでしょうか。
英国を象徴するモチーフが、破れたジーンズやレザーアイテムと組み合わせるパンクファッションによって、既存の価値観に対する反骨のシンボルとなりました。
ジェイミー・リードによるアートワーク、エリザベス女王の唇に安全ピンをあしらった「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン(God Save the Queen)」はあまりにも有名です。

ちなみに、過激な表現で多くの批判を浴び、愛国主義者から暴行を受けたこともあるジョン・ライドンですが、後のインタビューで「女王・王室を人間として嫌いなんじゃない。自分が納得できない制度が嫌いなんだ」と語っています。

パンクファッションの現代への影響

過激なメッセージが描かれたTシャツや破れたパンツ、ガーゼシャツ、モヘアニット、アクセサリーとしての安全ピン、革のリストバンド。
パンクファッションは、70年代に生まれ、その後80年代にハードコアパンクの音楽とともにさらに進化を遂げました。モヒカンヘア、スキンヘッド、鋲を打った皮ジャケットなどのスタイルが登場し、パンクファッションはより過激な方向へと向かっていったのです。
現在もなお「パンクファッション」はその反抗的な精神とともに、さまざまなブランドやデザイナーによって再解釈され、進化し続けています。

ヴィヴィアン・ウエストウッドは80年代初頭マルコム・マクラーレンと決別。
その後もオリジナリティーに溢れたデザインを発表し続け、「パンクの女王」としてモード界に君臨する存在となりました。
彼女の生き方はファッション業界のみならず、さまざまなクリエイターに影響を与えています。
また、セックス・ピストルズの音楽やスタイルも、パンクロックを象徴するものとして今も多くの人々に愛され続けています。

パンクファッションは、単なる服装にとどまらず、社会的なメッセージを伝える手段として、アイデンティティの一部となり、時代を超えて語り継がれる文化となっています。

私たちキモノハーツでもタータンチェック柄などパンクファッションに着想を得た振袖を作りました。
また、パンクとは程遠いデザインだとしても「自分を表現できる新しい振袖ファッションを作りたい」という私たちの思いは、手前味噌ですが、パンク・ロックの精神と相通じるものがあるように思います。

パンクファッションが好きな方はもちろん、自分らしいファッションをしたいと考えている方は、ぜひキモノハーツへ。ご来店、心よりお待ちしております。

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